「フリーランスって開業届を出した方がいいのかな。メリットはもちろん、デメリットもあれば教えて欲しい。」
という疑問にお答えします。
パラレルキャリアのRyotaです。個人事業を開始して5年目に開業届を提出。途中で開業届の内容変更を申し込んだ経験もあります。
当記事の内容はこちら
- フリーランスが開業届を提出するメリット
- フリーランスが開業届を提出するデメリット・注意点
- 開業届の書き方・職業の選び方について
- 開業届の提出方法・変更方法について
開業届は提出しなくても構いません。ただ、提出した方がメリットが多いです。青色申告で節税できるだけでも魅力的ですよね。
提出すると失業手当がもらえない・事業者税が取られるとか言われますが、これって開業届の提出を関係ありません。自分の都合よく考えると『不正』になります。
1つ1つ解説しますのでどうぞお役立てください。
1.フリーランスが開業届を提出するメリット
以下の3つです。
- 青色申告で節税ができる
- 小規模企業共済制度が利用できる
- 屋号が付けられる
開業届って提出の『義務』はないんです。仕事を開始して1ヶ月以内に出すことになってますが、出さずに仕事してる人も多いですね。
でも、節税などに有利な場面が多いので提出する価値があるんですよ。
メリット① 青色申告で節税ができる
開業届と青色申告承認申請書を提出することで、青色申告が使えるようになります。
青色申告をするメリットは何と言っても特別控除。正規の簿記をしていることを条件に、65万分も控除になります。(ただし、2020年以降は電子申告・電子帳簿保存しないと55万円分に下がります。)
税金が65万円分安くなるわけじゃないです。あくまで控除なので、20万くらい安くなると思えばいいです。(もちろん所得によっても変わります。)
同じく2020年まで『30万円以下の消耗品を一括で経費』にできます。(ただし条件あり)
パソコンとかって簡単に10万円超えちゃうじゃないですか。全額一括で経費にできるのは魅力的です。
メリット② 小規模企業共済制度が利用できる
個人事業主向けの退職金制度が『小規模企業共済制度』です。
- 毎月1,000~70,000円の積立を設定
- 全額、所得控除できる
- 最大120%戻ってくるが、早めに解約すると元本割れする
- 受け取り時に課税される
高い節税効果があるものの、途中で解約すると元本割れします。保険と似てますね。受け取り時もしっかり課税されるので、コツコツ積み立てていかないと損します。
投資とは違った切り口になるので利用者が多いです。
メリット③ 屋号が付けられる
会社名のような『屋号』を付けることができます。銀行口座も屋号で作れますね。
私はBlue Rat Webという屋号を付けています。これを名刺にも使って『Web系の仕事をしているんだな』というアクセントにしています。
2.フリーランスが開業届を提出するデメリット・注意点
特に出した場合のデメリットはないですね。
出したら『税務署から目を付けられる』とか噂がありますが…。そもそも確定申告しないとなので、開業届を出さないから有利みたいな話はありません。
デメリット:特になし
私は工場勤務をしている時に開業届を出しました。会社にバレるとかもありませんでしたよ。
開業届提出の勘違い情報
- 開業届を出すと確定申告に不利 → 関係ありません
- 失業手当がもらえない → 個人で収入を得ているのなら、そもそももらえません
- 提出した瞬間に夫の扶養から外れる → 38万円+65万円(青色申告の場合)+経費までなら大丈夫
失業手当は再就職を支援するためのもの。フリーランスは再就職じゃなくて『独立』なので、再就職支援と認められません。断られる可能性が高いです。
注意点:職業によって個人事業税が変わる
所得が290万を超えると、職業によって3~5%の個人事業税が課せられます。
コピーライターやアフィリエイターは『広告業』なので5%ですね。でも、Webライターや芸術活動(アーティスト)だと個人事業税がかからないこともあります。
主となる仕事が何なのか。ちゃんと判断して書きましょう。
3.開業届の書き方・職業の選び方について
好き勝手に書いてはいけません。専用の様式に記載。職業も分類を参考にして選びます。
書き方:専用用紙をダウンロードして記載する
国税庁からダウンロードできます。
以下記載の注意点です。
- タイトル『個人事業の開業…』の『開業』にマルを打つ。
- 届出区分は開業にチェック。後は空欄。
- 開業・廃業等日を記載
- 「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」 → 有
- 消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は「事業廃止届出書」 → 無
- 事業の概要:Webマーケティングなど
納税地や氏名、職業は普通に書けばOK。該当しない部分は全部空欄で提出します。屋号以下の部分は上記を参考にしてください。
会計ソフトfreeeを使うと5分で開業届が作成できます。確定申告に必要な書類も質問に答えるだけで作成可能。
freeeは無料で試せます。まだ確定申告用ソフトを決定していないのなら、試す価値がありますよ。ついでに開業届も作ってしまいましょう。
\質問に答えるだけの確定申告/
口座と同期させて自動で経理可能
税理士さんに頼むより格安
職業の選び方:日本標準職業分類を使う
日本標準職業分類を参考に一番近い『主となる職業』を記載します。
こちら 日本標準職業分類
4.開業届の提出方法・変更方法について
あなたの住所の担当となっている税務署に持参・郵送します。
提出方法:指定の税務署に持参または郵送する
ポストへ投函も構いませんが、私は不安だったので税務署に持参しました。
この『控え』って公的な資料です。小規模企業共済制度に加入する際にも必要です。保管しておきましょう。
変更方法:開業届を出しなおす
変更届はありません。再び開業届を提出すれば変更可能です。私も屋号を変えたくて提出しました。その他参考事項に「変更箇所○○」というように記載しましょう。これで通ります。
ただし、税務署から確認の電話が来ます。
「どうして屋号を変えようと思ったんですか?」と聴かれるので答えられるようにしましょう。私はWeb関係の名前に切り替えたかったためと答えました。
「税務署として確認の必要があったんです。ありがとうございます。」
と言われて一件落着です。
まとめ:早速、開業届を提出しましょう
青色申告を使わないってホント損なんですよ。最近はソフト1つで簡単に記帳できますからね。クラウド型のサービスもありますし。
1年で20万の節税として、30年で600万…。軽く事業が起こせちゃいます。
青色申告を使うためにも開業届を提出しましょう。
以上、「フリーランスが開業届を提出するメリット・デメリット『書き方も解説』」という記事でした。
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